初期消火は市民の手で!地域防災力の強化を
世界有数の地震多発国である日本に住む私たちは、災害と隣合わせであると言っても過言ではありません。
首都直下地震の被害想定では、木造住宅密集地域の不燃化を進めない限りは火災で多くの人が亡くなる、と推計されています。座間市も住宅密集地域があり、他人ごとではありません。
大規模災害時に同時多発的に火災が起こった場合、また道路が不通となり消防隊が到着できない場合などに備え、市民が初期消火できるよう訓練や環境整備が必要です。
座間市地域防災計画の中で、市は、大規模な火事災害に対する計画を定めています。その中には、市は広報活動や会合などで消火方法の実地指導を行い、火災の防止及び初期消火の徹底を図る、ということ、また、市は、自主防災組織の指導者等に、消火に必要な技術を教育すると書かれています。
座間市自主防災組織マニュアルには「地震発生直後の対応として、自主防災組織は出火防止、初期消火活動にあたる必要」があると明記されています。
このことからも、自治会・自主防災組織等市民の意識を高めスキルアップをはかることにより、地域防災力の強化につながると考えます。
消火器も初期消火には有効ですが、火が天井まで上がってしまった場合は消火器では消せません。次の段階として、火災の拡大や延焼を防ぐ面からも、消火栓を使って、水道管から直接ホースをつなぎ消火活動をする必要があります。
幸いなことに、座間市はまちの至る所に消防職員さん手作りのホース格納箱があります。県内他市を見てみると、街頭消火器を置いている自治体は多いのですが、ホース格納箱を街中に置いている自治体はほとんどありません。
このせっかくの格納箱を使わない手はないと考えますが、実際に消火を行える市民は少ないというのが現状です。火事が起きた場合、まずは自分の命を守ることが一番重要ですが、訓練を受けていれば、他者の命、財産を守るという行動にうつすことができるのではないかと考えます。
これまで消防とのやりとりの中でも、一般市民が消火栓を使うのは難しいと言われていましたが、今回の一般質問で、訓練を受けた複数人が消火活動をすることは有効であると認めていただきました。
しかし実際消火栓を使うとかなりの水圧がかかります。私も消防で実際に体験させていただきました。消火栓から直接ホースをつないでの消火活動は、訓練を受けた複数人ならば可能とは思いますが、簡単ではありません。
他自治体では、スタンドパイプを配備しているところもあります。スタンドパイプは、消火栓とホースをつなげるパイプです。パイプの特徴として、消火栓との接続部分は65ミリ、ホースとの接続部分は40ミリとなり、途中で狭まるために水圧が下がり、女性や高齢者でも扱いやすくなると言われています。
スタンドパイプやホースなど一式がセットされた「スタンドパイプ式消火器具」というものが街中に配備されている自治体もありますが、座間市は、現在4機のスタンドパイプ式初期消火器具があり、1機は自治会に貸与されていて、3機は防災備蓄倉庫に保管されている状況です。今回の質問では、要望があって訓練を受けた自治体・自主防災組織に、スタンドパイプを貸与すると回答を得ました。
初期消火の環境を整えるのは大事ですが、市民の意識を変えていくことも必要です。「いざというときの初期消火は自分たちの手で」という気持ちを持ってもらうことが大事であると考えます。市内の自治会や自主防災組織の中には、定期的に消火訓練を行うなど先進的な訓練に取り組んでいるところもあります。市民意識の醸成のため、そういった自治体・自主防災も紹介してもらうよう要望しました。
市民の防災意識醸成とスキルアップをはかり、地域の防災力を底上げしていくよう、私自身も勉強しながら取り組んでいきたいと考えます。